マクロDota2学始めました

マクロDota2学とは

Skill Mechanics,Aggro,Stack Time――1ゲーム内で無数に見られるテクニックや知識を駆使することに重点を置いた学問体系はミクロDota2学(*1)と呼ばれ,数々のテクニックで相手よりも上回ることができればゲームに勝てるとする即時的な考え方である.対して,Map Control,Team Composition,Peak Timeといったゲーム全体の動きに着目した学問体系をマクロDota2学(*2)と呼び,個々のテクニックや知識に差がないことを理想状態としてゲーム展開を読む経時的な考え方である.

マクロDota2学におけるチームの意思統率

マクロDota2学には種々の細分野が存在するが,そのうちのチームの意思統率について今回は触れる.

チームの意思統率とは,ミクロDota2学におけるShotcaller(*3)(Go/Backの声を上げる役目)のことを指すのではなく,チーム全体でこれからどういう動きをするのかというStrategyに近い内容を指す.チームの意思統率が大きな役割を果たすのは,個々のテクニックが主因子となるレーン戦終了後の10分以後である.本著では,この10分以後を中盤として話を進める.

チームの意思統率は大別して3種類存在する.以下にそれを示す.

  • Grouping
  • Split Push
  • Pick Off

Groupingとは,チームで最もFarm Priorityの高いプレイヤーに追従する形であり,チーム内の誰かがPickされてもすぐに反転して集団戦を起こせる作戦である.Split Pushとは,チーム内でレーン処理能力とエスケープ能力のあるヒーローが1人でレーンをPushしに行く形であり、敵に集団戦を起こしづらくさせる作戦である.Pick Offとは,マップ上に1人もしくは2人でいる敵を発見しGankする形であり,敵に孤立することを辞めさせFarm Spaceを奪う作戦である.

三すくみの関係

Grouping,Split Push,Pick Offの3つに着目すると、これらは三すくみの関係であることが容易に見て取れる(図1).

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図1 三すくみの関係

説明略

既存の問題点―意思統率の流動性

チームの意思統率は,極端に偏ったTeam Compositionでない限りは流動的である.ミニマップから得られる情報,敵味方のアイテム,Disable等によって刻一刻と最適解が変化する.ソロにおいては個々の判断で最適解を見付けなくてはならないが、ボイスチャットで連携が取れるパーティであるならば誰かの一声で流動的な変化をチーム内で共有する必要がある.

この流動性についての理解が不十分であるとFeedにより敗北する.以下に事例を示す.

事例1)敵のSlardarにBlink Daggerが入ったという情報が入ったにも関わらず,さっきまで上手くいってたからという理由でSoloPushを続けて死にまくる.(敵のGroupingからPick Offへの変化に対してSplit Pushを続けた例)

事例2)ShadowBladeを持ってKillstreak中のSlarkがノリノリで歩き回ってたら敵が5人いてGoldばらまいた.(敵のSplit PushからGroupingへの変化に対してPick Offを続けた例)

事例3)敵がGroupingしているので味方のInvokerがSplit Pushをしているのに、他の味方がついてきたせいで集団戦が起こり大敗.(敵味方がGrouping同士だと負ける状況でGroupingした例)

最適解の決定因子―固定因子と流動因子

チームの意思統率には,固定因子と流動因子がある.固定因子とは主にTeam Compositionであり,Pick段階での方針・勝ち筋のことである.Pickコンセプトともいえるだろう.流動因子とは,アイテム状況や透明看破,Wardingといった情報のことである.この固定因子に従った意思統率を行うことが勝つための方法だが,流動因子を考慮せずにゲームを無理に運ぼうとすると敗北を招く.

マクロDota2学において否定される二元論―FarmingとFighting

よくある誤認として,チームの意思統率をFarmすることとFightすることの2種類であると認識されることがある.しかし,FarmするかFightするかという判断は意思統率されるべきものではなく,敵が今Gankに来てるかどうかなどの状況によって判断されるべきで,アイテムがまだ入っていないからという理由だけでFarmを選択するなどの行動をとると簡単にFeedしてしまう.

それよりも三すくみの関係に従って最適解を選択するほうが,結果的に相手よりFarmを取ることができ,なおかつ有利な形でFightすることができると分かっていただけるだろうか.また,FarmとFightは具体的な行動を指すものではないため,「Farmしたい」「Fightしたい」と誰かが言ったとしてもチームの他のプレイヤーがどう合わせるのかがまったく伝わらないことからも,FarmingとFightingがチームの意思統率でないことが分かる.

結論

なんかやりたいことあるならSplit PushかPick OffかGroupingの3択から選んでしゃべれ

参考文献

*1…Nevermore the Shadow Fiendら,Farmの重要性とミクロDota2学,Dire魂収集学会出版,No.210(2015).
*2…Rylai the Crystal Maiden,サポートの気持ちとマクロDota2学,Ghastly Eyrie出版,Vol.3(2015).
*3…Raijin Thunderkeg,自叙伝「俺はSplit Pushがしたい」,Spirit三兄弟出版,Vol.1,No.1(2016).

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